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銀狼
第12章 epilogue
ねぇ……ほら、これ
あなたがわたしに付けた傷よ
《 ああ、…よく似合っている。
お前が私のものである証 》
そんなことを言うのなら
ちゃんと…わたしを捕まえていてよ
《 当然だ。現に今も……
お前は私の腕の中…── 》
でも見えないじゃない?
《 私には見える 》
わたしには、見えないわ。
あなただけなんて…やっぱり卑怯よね。
《 ──…今は待つ時だ 》
…いつまで待つの?
《 …ほんの数十年、私にしてみれば一瞬だ。
其れまでは……焦らず生きろ 》
そんなこと言ったって───
「──…わたしにとっては、長いわ…!! 」
また、セレナは涙を溢す。
そうしてローを困らせる…。