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銀狼
第12章 epilogue
狼の消えた聖地にはただ沈黙だけが立ち籠める。
唯一の滝音が虚しく響くばかりだ…。
───
──あの日討伐を終えた兵士達が、此処で見た事を他言することはなかった。
誰が取り決めた訳でもないが、彼等はひとりとして口を開こうとしない。
秘められた此の地と
此処で散った魔狼の男の存在は
彼等の記憶にしまわれたのだ。
それは滅びゆく者への礼儀、敬い、恐れ。
自らが銃口を向けた森の王への、畏怖の念と言ったところか…。
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