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銀狼
第13章 afterwords
セレナもまた同じように苦しみました。
人間でありながら、敵である狼に憐れみと愛を抱いてしまった彼女は
滅びゆく彼等を前にして、板挟みの想いに苦しまなければいけませんでした。
セレナの愛した男は、人間が生き残るために滅びなければならない存在…。
「人と狼」
禁断の愛を表現するのに
これ以上の題材はありませんでした。
セレナは彼を愛し…
そして、彼女によってローは滅びる。
まさに今のわたしたちの姿ではないでしょうか?
幸せendにしたい気持ちは山々だったけれど、わたしにはどうしてもできなかったんです。
わたしはこの物語で共存の大切さを伝えようとか、そんな事を目指したわけではなくって
決して報われぬ愛に囚われた女性の、切ない想いを描きたい
そういう気持ちからでした。
物語を包む哀しい雰囲気に、どこか美しい余韻が合わされば…
二人の愛がより官能的になるのではと、それを目標に書かせて頂きました。