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銀狼
第13章 afterwords
ではどうするのが正解だったのでしょうか?
この物語が悲しい理由は
ここに " 悪者 " がいないことです。
生きるために人間を捕食する狼たちも
仔狼を撃った人間を殺したローも
セレナと街の人々を助けるために、狼討伐に乗り出した侯爵も
ローを撃った兵士たちも…
皆が皆、それぞれの立場で正しいことをしたまでで他の選択肢は無かったのです。
それと同じ…。
迫る危機の前では、共存などと悠長なことを言ってはいられない。
自然は大事?
動物は可愛い?
わたしたちは自然を、動物を愛しています。
でも人間である以上、彼等を傷つけないと生き残ることができない。
何も持たないわたしたちは、彼等の犠牲の上で、初めて今の生活を維持することができる。
正解のない辛さを…わたしはそこに感じてしまいます。