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銀狼
第4章 月夜の陵辱
身体の自由がきかない。
そんな中、背後から近付く獣達の気配にセレナは震え上がった。
「お‥…願い…許し て…」
声すらも、満足に出てはくれなかった。
無惨に破かれた菖蒲( ショウブ)色のドレス──
その上に寝かされた裸の彼女は、さながら花の絨毯に置かれた生け贄の乙女と言ったところか。
セレナを放置して立ち上がった男はふわりと衣を翻し、向きを変えると祭壇の石段を登っていく。
数段上がったところで再び向きを変え、彼は横たわるセレナを見ながら腰を下ろした。
「──…」
その顔は笑っている──。
グルル・・・・
「ひっ──ッ」
獣の声はもう…すぐ後ろまで迫っていた。
振り返ることも逃げることもできないセレナ。
“ このままわたしは狼に喰われてしまう ”
その苦しみ…想像すらできない恐怖に支配される。