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銀狼
第4章 月夜の陵辱

閉じた目の暗闇の中。

セレナは今頃自分を心配して探し回っているであろう、父の姿を思い浮かべる。

そして優しい街の人達。


“ ごめんなさいお父様…!! こんな…こんな死に方をするなんて、わたしは本当に親不孝者だわ…っ ”


命乞いまでしたあげく、ひとおもいに死ぬことすらできず

得たいの知れない化け物に裸にされ…

こうしてゆっくりと噛み殺されるだなんて──いったいどんな悪夢だろうか。

…しかし、自身の死を嘆くセレナは

さらなる悪夢が待ち受けていた事を、この直後に知ることになる。






「……ッ‥ん」


彼女を取り囲んだ五、六匹の狼達は、当然ながら嘆くセレナを気に掛ける事はない。

背中、脇、太股、足の指…。

顔と首を除く、全ての場所を、生温かい舌が丹念に舐めまわす。


“ どうしてこんな仕打ち… ”


セレナは徐々に、心の何処かに違う焦りが生まれてくるのを感じた。


“ 食べるのなら……早くして……!! ”


そんな風にさえ思った。

何故なら…


「…ン………ぁ……」


ただ気持ち悪いだけであったその舌も、こうもしつこく舐められたら…必然的に違う感覚を催してくるからだ。



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