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銀狼
第5章 逃走

地に到着したところで安堵した様子のセレナ。

彼女は出口に向かってすぐさま走った。




「……あ…!! 」



しかし──

彼女の安堵は、浅はかと言うものだった。



出口の洞窟にたどり着こうという彼女の前に、何処からともなく現れた狼達が立ちはだかった。

絶壁に空いた穴々から彼等は出てくるのだ。

恐らく、日のある内は穴の中で眠り、日が沈むと外に出てくるのだろう。

まだ十分に明るいが獲物の逃走に気付いて出てきたのだ。


「……や…っ…!! 」


セレナは驚いて後ずさる。



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