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銀狼
第5章 逃走



「──…!? 」


首に回されていた腕がスルリと抜け

セレナはゆっくりと水の中へ沈んでいった。




此処は滝壺近く。

人間の女が泳いで抜け出すことは不可能だ。




銀狼は、自分の腕から逃れた彼女の影を見つめたまま呆然とする。






「……」





死ぬのか……、お前は




──人間の娘よ












「…っ…やはり愚かだ…」










銀狼は滝壺へと潜った。



渦に呑まれる彼女を追って───。













───…




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