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銀狼
第5章 逃走

「せっかくの獲物が泥まみれでは食欲も失せる…」

「……ハァ……ンっ…」

「洗ってやるんだ。有り難く思え」

「…っ…ふざけないで……!! 」


反抗的に声を上げるセレナ。

だがその身体は、銀狼からの辱しめにウブな反応を示してしまう。

豊かな膨らみが男の手の形に歪められ、否応なしに頭が官能的に染まって…──。


「…ぁぁっ、…そんな…!」


そればかりか、銀狼は片手をセレナの下半身へと伸ばしてきた。

柔らかな秘肉に銀狼の指がくい込み…ゆっくりと圧される。


「……はぁ‥‥ンッ…んんっ…」

「……」

「やっ‥‥ケホッ……ハァ…ハァ……ケホッ‥…!! 」


銀狼はこれで獲物を洗っているつもりなのか。

…いや、そんな筈はなかった。

秘裂を前後に擦り続ける指の動きは厭らしい。


「もう‥…ハァ、やめてぇ……」


彼女の中からドロリと現れた蜜が清らかな水に溶け込んだ。





“ この男は、わたしを試しているんだわ…っ ”



セレナは歯を食い縛った。


逃げたい

この屈辱的な状況から抜けださなければ。


なら、しがみつくこの手を離しさえすればいい。


“ でもそれは…… ”


でもそれは、同時に自身の死を示している…。



命をとるか…

貴族としての、いや、ひとりの女としての誇りを選ぶか…

この状況で試されている。




“ ──…死ぬのは怖い ”




けれどどうせ、わたしは狼に喰われるんだ


どちらを選んでも、わたしは──






「──…」






セレナは、しがみつく腕の力を徐々に弛めた




──その顔は泣いていた










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