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銀狼
第6章 獣の愛
「~~~!! 」
何とか苦味と酸味は緩和されたが、一度パンを口にした身体は空腹を満たすさらなる量を欲しがった。
悔しさに顔を赤くしながらもかじり付く口の動きを止められない──。
普段の食事より直接的に、舌に食べ物の旨味を感じる。
それが果たして飢えによるものなのかどうかは定かでないが、そんなこと…今のセレナには関係ない。
両手で掴むほどの大きさのパンを、彼女はペロリとたいらげてしまった。
『 食欲だけは、獣並か…… 』
そんな声が聞こえてきそう。
“ …仕方がないじゃない ”
「これが悪いのよ、これが」
セレナは恐ろしい味の果物を手に取る。
そして湖に投げ入れようとした。