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銀狼
第2章 禁断の森
男の声に反応して、腕に抱えられていたその荷物が僅かに動いたように見える。
汚ならしい布でぐるぐる巻きにされた、不自然な荷物──。
布からはみ出ているのは足である。中に巻かれているのは人で間違いないようだ。
小さめな足は、女性のものだろう…。
しかも男が片手で抱えていられるのだから、その華奢さも容易に想像することができる。
「こんなとこで窒息死されても困るからなぁ」
「ちゃんと生きてんのか?ぜんっぜん動かねぇじゃねぇか」
馬の背を離れた男達は、がやがやと " 荷物 " に集まり出す。
そして蛙鼻の男が乱暴に地に転がすと
我先にと、固く縛った紐を解いていった。