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銀狼
第2章 禁断の森
中にいたのはやはり女性であった。
「‥カ‥ハ‥‥!! 」
長時間 身動きの取れない状態で馬に揺られ続けた疲労のせいで、拘束を解かれたあともその女性に動く気配はなかった。
彼女はぐったりと身を倒している──。
「おいおい、大丈夫か?」
特別心配する素振りも無しに、感情のこもっていない言葉が掛けられる。それにも彼女は無反応だった。
しかし、男の手が彼女の頬をぺちぺちと馬鹿にするように叩くと
虚ろであったその瞳に生気が戻った。
「…わ…わたしに触らないで……!! 」
男達への嫌悪を剥き出しにして──。