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華のしずく~あなた色に染められて~
第27章 【月華~月姫-TSUKIHI-~華のしずく~】 幻の蝶
だが、月姫が新しい館を賜って、移り住んでからも、秀信は想い人を忘れることができなかった。夜毎、馬を駆り、城下の外れにある館まで出かけ、月姫との狂おしい夜を過ごした。
月姫が新しい館に移って、ひと月が過ぎた頃、千手丸が熱を出して寝込んだ。急ぎ薬師を呼んだが、その原因が判らない。
幼い息子の病を聞き、秀信がお抱えの侍医を特に遣わし、診察させた結果、怖ろしいことが露見した。