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華のしずく~あなた色に染められて~
第29章 【剣(KEN)~華のしずく~】 決意
「お、親分―?」
やっと龍伍に追いついた浅太が気遣わしげな表情で見ているのにも、龍伍は気づかない。
まるで、憑かれたように。
まるで、魂をこの妖しくも美しい刀に奪い取られでもしてしまったかのように。
龍伍は、ただただ龍の蒼い眼に見入っていた。
その時、夜空を流れる雲が一瞬、月を隠した。次の瞬間、再び顔を出した月明かりに浮かび上がった龍伍の顔を見た浅太の口から、ヒと短い悲鳴が洩れた。