この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
華のしずく~あなた色に染められて~
第29章 【剣(KEN)~華のしずく~】 決意
浅太が見たものは、この世ならぬものであった。長刀を真っすぐ月に向かって差し掲げ、すっくと立つ龍伍の横顔は美しかった。凄絶なまでに、まるで死に神に取り憑かれでもしたかのように美しい。
浅太がこんな龍伍を見たのは初めてだった。元々男前であった龍伍だが、今の彼の美しさは禍々しさに満ちていた。
「お、親分が狂っちまった―」
気弱な浅太は、もうどうして良いやら判らない。いつも龍伍を兄貴分として頼りにしてきたのだ。一人では何もできやしない。
浅太がこんな龍伍を見たのは初めてだった。元々男前であった龍伍だが、今の彼の美しさは禍々しさに満ちていた。
「お、親分が狂っちまった―」
気弱な浅太は、もうどうして良いやら判らない。いつも龍伍を兄貴分として頼りにしてきたのだ。一人では何もできやしない。