この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
華のしずく~あなた色に染められて~
第30章 【剣(KEN)~華のしずく~】 闇に喚ばれし者
龍伍の胸にどす黒い感情が湧き起こった。
浅太は自分を裏切った。弟とも信じて後を託した浅太は、龍伍を留五郎に売ったのだ。
―コロセ、コロセ、ニクンデコロセ。
ふいに龍伍の耳に幻の声が聞こえてくる。まるで地の果てから響いてくるような不吉な、禍々しい声だ。
―コロセ、コロセ、ソイツヲコロセ。ソイツハ、ウラギリモノ。ニクマレテ、トウゼンナノダ。ヒトオモイニ、コロシテシマエ。
龍伍は手の中の長刀を握りしめた。
浅太は自分を裏切った。弟とも信じて後を託した浅太は、龍伍を留五郎に売ったのだ。
―コロセ、コロセ、ニクンデコロセ。
ふいに龍伍の耳に幻の声が聞こえてくる。まるで地の果てから響いてくるような不吉な、禍々しい声だ。
―コロセ、コロセ、ソイツヲコロセ。ソイツハ、ウラギリモノ。ニクマレテ、トウゼンナノダ。ヒトオモイニ、コロシテシマエ。
龍伍は手の中の長刀を握りしめた。