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華のしずく~あなた色に染められて~
第30章 【剣(KEN)~華のしずく~】 闇に喚ばれし者
幻の声に導かれるようにして、浅太に向かってゆく。
「ゆ、許してくれ。兄貴、俺が悪かった。生命だけは取らないでくれよ」
浅太が恐怖のあまり、腰を抜かし、尻餅をついた。それでも、龍伍は剣を振りかざす。
その時、突如として視界が翳った。流れる雲が月を隠したのだ。龍伍の持つ剣が浅太の胸を深々と刺し貫いた。
浅太は短い断末魔の悲鳴を上げたきり、動かなくなった。その顔は苦悶と恐怖に醜く歪んでいた。
「ゆ、許してくれ。兄貴、俺が悪かった。生命だけは取らないでくれよ」
浅太が恐怖のあまり、腰を抜かし、尻餅をついた。それでも、龍伍は剣を振りかざす。
その時、突如として視界が翳った。流れる雲が月を隠したのだ。龍伍の持つ剣が浅太の胸を深々と刺し貫いた。
浅太は短い断末魔の悲鳴を上げたきり、動かなくなった。その顔は苦悶と恐怖に醜く歪んでいた。