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華のしずく~あなた色に染められて~
第5章 【華のしずく】~永久(とこしえ)~
秀吉の言葉に、珠々は深く頷いた。
「お母上様は、お父上様をお心からお慕いしていらせられたのでございしまょう」
「母の生涯は長くはないものであったが、真に愛する男とめぐり逢えて、まだしも幸せであったのだろうな」
秀吉はそのときだけ、どこか遠い眼差しで呟いた。その眼は、彼のけして幸せとは言えなかった少年時代を物語るような気がして、珠々は秀吉という男のまた新たな面を見るような想いになった。