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華のしずく~あなた色に染められて~
第5章 【華のしずく】~永久(とこしえ)~
珠々はその小箱を押し頂くようにして、頭を下げた。珠々には、思いがけない秀吉の申し出を断ることはできなかった。もとより、秀吉の寵愛なぞ受ける気は毛頭ない。が、秀吉は彼なりの真摯さを珠々に見せようと思ったからこそ、ただ一つの母の形見だという品を自分に与えようとしているのだ。
「羽柴様の何より大切なお母上様のお形見、大切に致しまする」
「母は正妻の嫉妬のために早々と父の側から遠ざけられたらしいが、亡くなるまで、その品を大切にしていたそうだ」
「羽柴様の何より大切なお母上様のお形見、大切に致しまする」
「母は正妻の嫉妬のために早々と父の側から遠ざけられたらしいが、亡くなるまで、その品を大切にしていたそうだ」