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華のしずく~あなた色に染められて~
第5章 【華のしずく】~永久(とこしえ)~
 珠々は、この地に神社を建てようと思う。祭神は鬼子母神、自らの無事な出産と亡き良人信成の冥福への祈りを込めての建立である。
―信成様、漸く帰って参りました。
 珠々は石榴の樹を見上げて、心の中で信成に呼びかけた。思わず涙が溢れてくる。
―そなたの涙は花の雫のようだな。
 そういえば、信成が珠々の涙を花の雫のようだと言ったことがあったと、珠々は思い出していた。あの頃が無性に懐かしい。
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