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第6章 　雪の華～華のしずく～

　無類の戦上手で知られる秀吉だが、けして戦好きというわけではなく、むしろ、そのような政略結婚で回避できる争いはでき得る限り避けていたようにも見える。たとえ敵対関係にあっても、ひとたび頭を下げて許しを乞えば、自らの懐に迎え入れるような度量の大きさが確かに秀吉にはあったと言えよう。
　恐らく、それがして彼を天下人たらしめた最大の原因なのではないか。秀吉には人を魅(ひ)きつける不可思議な魅力が備わっていた。