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華のしずく~あなた色に染められて~
第6章 雪の華~華のしずく~
それはともかく、佐竹信晴の妻となるべく、はるばる東の国青龍から嫁いできた徳姫はこの時、十七歳になったばかりであった。徳姫は秀吉の最も信頼する家臣砂山時寿(さやまときとし)の次女として生まれた。信晴の元服の際、秀吉の代理として烏帽子親を務めたのもこの時寿である。母は秀吉の異母姉おこんの方である。徳姫の父時寿の弟時治(ときはる)は藍丸(らんまる)と呼ばれていた少年時代より側小姓として秀吉に仕え、時寿と並んで秀吉に重用されていた。