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華のしずく~あなた色に染められて~
第6章 雪の華~華のしずく~
自分はこの国にただ一人ではない。母とも呼べる頼もしい柏木がいつも傍にいてくれる。そう思うだけで、萎えそうな心も強くなるような気がした。
「今、義父上さまにそのようなことをお知らせすれば、義父上がご立腹になるやもしれぬ。それは、いかにもまずい」
徳姫はか細い声で囁くように言った。無駄な戦をなくすために自分がここに遣わされたのだとすれば、たかだか初夜をすっぽかされたくらいのことで見苦しく騒ぎ立て事を荒立てるのは愚かなことである。
「今、義父上さまにそのようなことをお知らせすれば、義父上がご立腹になるやもしれぬ。それは、いかにもまずい」
徳姫はか細い声で囁くように言った。無駄な戦をなくすために自分がここに遣わされたのだとすれば、たかだか初夜をすっぽかされたくらいのことで見苦しく騒ぎ立て事を荒立てるのは愚かなことである。