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華のしずく~あなた色に染められて~
第7章 【雪の華~華のしずく~】二
 その日、徳姫は自室の障子をすべて開け放して、縁に座っていた。縁側は小さな庭に面しており、そこからは庭がそのまま見渡せる。四季折々の花が丹精された奥庭はこの部屋の先代の主(あるじ)―、信晴の生母貞心院(ていしんいん)がこよなく愛したものだと云う。貞心院は十五歳という若さで亡き信成の室となり、十六歳で良人信成を失った。
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