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華のしずく~あなた色に染められて~
第7章 【雪の華~華のしずく~】二
その時、貞心院は既に身ごもっていた。一説には、美貌で名高い貞心院を側妾にと秀吉が所望、それを拒んだ信成を秀吉が攻め滅ぼしたとも云われているが、真偽のほどは定かではない。
徳姫の知る限り、義父はいくら欲したとしても、女性一人を手に入れる、ただそのために国人(くにびと)を戦いに巻き込むような、そんな浅薄な人間ではない。秀吉はいつも豪快に笑っている、そんな卑怯な些末なことで一国を滅ぼしたりするような男ではないと徳姫は信じていた。
徳姫の知る限り、義父はいくら欲したとしても、女性一人を手に入れる、ただそのために国人(くにびと)を戦いに巻き込むような、そんな浅薄な人間ではない。秀吉はいつも豪快に笑っている、そんな卑怯な些末なことで一国を滅ぼしたりするような男ではないと徳姫は信じていた。