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華のしずく~あなた色に染められて~
第10章 【紫陽花~華のしずく~】一
明子が召された彼の寝所にも、天蓋付きの大きな寝台が一つ置かれていた。これもまた南蛮人が普段用いている寝床だそうだ。大の大人二人が並んで横になってもまだ余るほどの幅がある、巨大なものだ。その枕許には唐渡りだという紫檀の脚長の丸机があり、銀盆に載ったギヤマンのグラスが二つ無造作に置かれていた。
一歩足を踏み入れた刹那、まるで異国に来たかのような錯覚さえ覚えてしまう。明子が寝所に入った時、既に秀吉はその大きな寝台の上に座っていた。
一歩足を踏み入れた刹那、まるで異国に来たかのような錯覚さえ覚えてしまう。明子が寝所に入った時、既に秀吉はその大きな寝台の上に座っていた。