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華のしずく~あなた色に染められて~
第10章 【紫陽花~華のしずく~】一
 明子が寝台の側に立っても、秀吉はしばらくはこちらを見ようともせず、純白の寝衣一枚のしどけない恰好で横座りになっていた。考え事をしているのか、眼を閉じている。人の気配に気付かぬはずもないのに、眼を開けもせず眠っているようにさえ見えた。
―自分からここへ呼び出しておきながら、無礼な。
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