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華のしずく~あなた色に染められて~
第10章 【紫陽花~華のしずく~】一
「強情なお姫様だ。だが、俺の前では、あまり意地を張らぬことだな。大人しくしていた方が身のためだ」
その人を見下したような物言いに、明子の自尊心はずたずたに引き裂かれた。
「無礼者ッ」
明子はそのひと声と共に懐から咄嗟に懐剣を取りだしていた。ひとふりの懐剣は京より嫁ぐ際、母から譲り受けた品である。渾身の力を込めて懐剣を振り上げ秀吉に向かっていった。
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