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華のしずく~あなた色に染められて~
第12章 【残菊~華のしずく~】序章
「五喜様、五喜様」
 藍丸の声が近づいてきた。五喜はそっと地面に降ろされる。
「元気で大きうなるのだぞ」
 その人は短いひと言を残すと、素早く姿を消した。五喜は何だか夢を見ているような気で、その人が消えた方を見つめていた。入れ替わるように、藍丸が茂みの向こうから姿を現す。
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