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華のしずく~あなた色に染められて~
第13章 【残菊~華のしずく~】一
「今夜は、俺が横にいては眠れまい」
 秀吉は笑い顔で言うと、無造作にごろりと床に横になった。どうやら、五喜を怖がらせまいと自分は寝台の下で眠るつもりらしい。
「お館様」
 五喜が何か言いかけようとすると、秀吉は淡く微笑った。
「気にするな。俺は、これでも気が長いのだ」
 秀吉が五喜に背を向ける。ほどなく、規則正しい寝息が聞こえ始めた。驚いたことに、秀吉は本当に眠ったのだ。
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