この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
華のしずく~あなた色に染められて~
第14章 【残菊~華のしずく~】二
「時治様、私のことはどうかお忘れ下さりませ。五喜は、どこにいても時治様のお幸せを心よりお祈り申し上げておりまする」
五喜は嬉しかった。時治が自分のために、ここまで言ってくれたことがこの上ない幸せに思えた。だから、五喜は自分にできる精一杯のことをすると決めたのだ。
「早くお行きになって下さりませ。あまりに長うご一緒しては、誰に見られるとも判りませぬ。こんな場を見とがめられたれば、時治様の御身が危のうございます」
五喜は嬉しかった。時治が自分のために、ここまで言ってくれたことがこの上ない幸せに思えた。だから、五喜は自分にできる精一杯のことをすると決めたのだ。
「早くお行きになって下さりませ。あまりに長うご一緒しては、誰に見られるとも判りませぬ。こんな場を見とがめられたれば、時治様の御身が危のうございます」