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第16章 【夢のなか～華のしずく～】　光の祈り人

　千都に出逢ったその日、秀吉はひそかにお忍びでとある教会の視察に訪れていたのである。領主自身が大々的に視察に訪れては、真の姿は判らない。秀吉は気が向くとよく一人でふらりと町へ出ていた。
それは何も物見遊山のためではなく、領民の暮らしぶりを見るためであった。国情の視察には人を遣わすより自分の眼で確かめるというのが彼の信条であった。
　その日は城下の町外れの小さな教会へ来てみたのだ。そして、それが二人に運命の出逢いをもたらすことになったのである。