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華のしずく~あなた色に染められて~
第16章 【夢のなか~華のしずく~】 光の祈り人
千都が親切に教えてくれる。秀吉は内心、後ろめたさを感じずにはおれない。彼は領主として基督教を奨励する手前、切支丹と称してはいるけれど、何も根っから信仰しているわけではない。混血ゆえ、姿形は異国人に近い風貌ではあったが、生まれも育ちも純粋な日本人なのだ。基督教は秀吉にとって、あくまでも異国の宗教にすぎない。千都の澄んだ眼差しには一点の曇りもなく、偽切支丹であることを見破られそうな気になった。