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華のしずく~あなた色に染められて~
第16章 【夢のなか~華のしずく~】 光の祈り人
「俺は継母を心底憎んだ」
 定子は秀信の弟の娘、つまり秀信とはいとこ同士の結婚であった。美しくはあったが気位の高く権高な妻を秀信は敬遠した。秀吉の記憶に残る定子は冷たい美貌にいつも人を見下したような冷笑を浮かべていた。
「泣かないで」
 唐突に千都が言った。その手がそっと秀吉の髪に触れる。
「俺が、泣いている?」
 不思議そうに訊く。
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