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華のしずく~あなた色に染められて~
第19章 【花紋~華のしずく~】 二
「まさか、また、こんなところで逢うとは思うてもみなんだ」
 信斉のねっとりとした視線が自分の身体に向けられているのが判り、麗子は凍りついた。
 熱い湯の中にいるはずなのに、全身が粟立っているようで、寒くてたまらない。
「そなた、まだ女にはなってはおらぬと聞いていたが―」
 そんな噂さえ、信斉の耳にも届いていたのだ。当然と言えば言えたが、麗子はあまりの恥ずかしさに涙が溢れそうだった。
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