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華のしずく~あなた色に染められて~
第19章 【花紋~華のしずく~】 二
朱雀国の領主佐竹信斉の二度目の正室麗子が信斉の娘を生むのは、更にこれより八年の後になる。長らく子に恵まれなかった麗子は懐妊の願いを込めて、子宝をもたらすといわれる柘榴の絵を描いたと云われている。
信斉が六十二歳という当時としては長寿をまっとうした後、更に麗子は数年生きた。信斉の死後、剃髪した麗子の法名は清林院。後に羽柴秀吉との戦で若くして非業の死を遂げた信成の義理の祖母に当たり、教養のある、すぐれた女人であったと語り伝えられている。
(【花紋~華のしずく~】 了)
信斉が六十二歳という当時としては長寿をまっとうした後、更に麗子は数年生きた。信斉の死後、剃髪した麗子の法名は清林院。後に羽柴秀吉との戦で若くして非業の死を遂げた信成の義理の祖母に当たり、教養のある、すぐれた女人であったと語り伝えられている。
(【花紋~華のしずく~】 了)