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第22章 其の壱～飛花～

　激しい衝撃に声も出ず、息をすることさえ、忘れてしまいそうだった。
「それでは、それでは、殿は秀康様に―」
　呟いて、それから先の言葉を辛うじて呑み下した。
―それでは、殿は秀康様に、実の弟君に殺されたようなものではないか。
「父母を同じうするご兄弟でありながら、何ゆえ、秀康様は殿にひと言、早まった真似は致されぬようにと仰せ下されなんだのか、お優しく責任感の強い殿を追いつめるようなことを致したのじゃ」