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華のしずく~あなた色に染められて~
第23章 【夕桜~華のしずく~】其の弐~夕桜~
帰蝶は訝しく思いながらも文を開いた。秀継の姉寧子は秀吉の養女として秀継と共に引き取られたが、十三で京に輿入れしたため、帰蝶とは面識はない。秀継と帰蝶の婚礼の際には儀礼的な祝福の文と型どおりの祝いの品が届いたけれど、普段からの付き合いは全くなかったのだ。その義姉から突然の手紙が来たのには解せなかった。
薄様の巻紙に流麗な手蹟で書かれた手紙をひととおり読み終え、帰蝶は絶句した。文に添えられた反物を手に取り、頬に押し当てた。
薄様の巻紙に流麗な手蹟で書かれた手紙をひととおり読み終え、帰蝶は絶句した。文に添えられた反物を手に取り、頬に押し当てた。