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華のしずく~あなた色に染められて~
第24章 【夕桜~華のしずく~】 其の参~山梔子(くちなし)の夜~
秀吉はあまたの側室を持ちながらも、ついに実子に恵まれなかった。将来を見込んで養嗣子として迎えた甥秀継の死去を知った時、もしや秀吉は羽柴家の終焉をそこに見たのではないか。
秀吉こそ乱世の申し子、まさに戦国の世を代表する名将であった。彼ほどの偉大な武将は二度と現れることはないだろう。自らが築いた一つの時代の幕引きを、あの稀代の英雄は自らやってのけたのかもしれない。