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捨てられた私は幸せになりたい
第1章 捨てられたの?
チラッと時計に目をやる。定時だ。でも残業しなきゃ我が家はカツカツだ。
退社準備をする人たちをよそに私はまだパソコンを触っていた。
「澤村さん、ちょっといい?」
上司からの呼び出し。 なんだろう…
「なんでしょうか?」
「澤村さん、熱心なのはいいんだけどね、今月はもう残業しないでほしいんだよ。日数超えちゃってるの。今日はもう帰って休んで、ね?」
マジか… 残業やり過ぎで注意入っちゃった…。
残業手当ないとカツカツなのに。仕方ないか。
「わかりました。すみません。お疲れ様でした」
できないものは仕方ない。帰り支度をして会社を後にした。
我が家は父と2人暮らし。父はというと無職だ。
元気な体だから働いてほしいと何度も言ったけど、その度にヘラヘラ笑って誤魔化された。
もう父を残して一人暮らししてもいいんだけど、幼い頃から父子家庭。男手1つで私を育ててくれた恩もあるから簡単には決断できない。
まぁ私が高校を出て働き始めたら仕事も辞めてゴロゴロしてる中年ニートなんだけどさ。
はぁ、夕ご飯作らなきゃな。家に何かあったっけなぁ。買い物に行く余裕は今ないしなぁ。
そんなこんな考えているうちに家に着いた。会社からこのオンボロアパートまでは徒歩で通える距離。
あれ? ドアの前に3人の男性。
あ! ちょっとちょっと、そんな乱暴にドアを叩いて!

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