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揺れる
第1章 揺れる
淳基は昨夜の出来事があまりにも衝撃的で、あの後から今に至るまでずっとあのことばかりを思い出してしまう。
あれは本当に起きた出来事だったのだろうか。
あまりにも突飛な事で淳基としてはまだ実感が湧いていない。
だが体のその部分にははっきりと「あの」感触が残っている。
あの光景を思い浮かべるだけで、心臓がバクバクする。
あれはーーーー
「・・・ちょっと」
「・・・ちょっと、淳基聞いてる・・・?」
淳基「え・・・?」
真希「えっ、じゃないでしょう?打合せの最中になにぼーとしてるの?」
淳基「あ・・・あ、ああごめん・・・っ。どうもすみません」
淳基はテーブルを挟んで正面に座っているウエディングプランナーに頭を下げた。
「お疲れですか?お仕事大変なんでしょうね」
真希「いえ・・・昨日遅くまで飲み会に行ってたので、そのせいだと思います」
ウエディングプランナーはそうでしたかと小さく笑う。
淳基は婚約者の真希と今年の冬に執り行う2人の結婚式の打ち合わせのため式場を訪れていた。
真希とは同じ大学で出会い、大学1年生から付き合っているのでかれこれ7年ほどの付き合いになる。
真希ははっきりとした性格で、少し優柔不断な淳基を引っ張ってくれる。
この式場もプランも決めたのは真希の方だ。
彼女はセンスもいいし、キチンと下調べをした上で物事を決めるから基本的には任せておけば問題ない。
器量もよく、周りからもよく真希の事を褒められる。
この前ウエディングドレスを試着した時の彼女はとても美しくて本当に彼女と結婚できて自分は幸せものだと思った。
真希「・・・で?」
淳基「え・・・?」
真希「招待リストに変更は無いかって仰っしゃられてるのよ」
淳基「ああ、招待リスト。すみません、聞き漏らしちゃって・・・」
真希「で、変更無しでいいの?会社の人とか追加は無さそう?」
淳基「それなんだけど、友人が何人か増えそうなんだ。参列したいって言ってくれてる人もいて」
真希「それって高校時代の友達?」
淳基「ああ、昨日の飲み会で突発で顔を出してくれた友人が何人かいて参列したいって言ってくれたんだ」
その中の1人に高校時代のマドンナ白坂彩がいた。

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