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O……tout……o…
第1章 おとうと
 33

 それは、禁断の禁忌といえる罪に対する、然るべくして下った『罰』

 あの夜は、推薦大学試験に確かな手応えを感じ、それまでの受験の緊張感が一気に緩んだ夜でもあった…
 また、慎重に警戒をし、二人の禁忌の逢瀬を週一回に自重し、そのサイクルに油断していたということもあった…
 だが、なにより、あの夜の決定的な緩みと油断は、生理明けということであったのだと思われる。

 生理明け…
 それは泣く泣く週一回に減らした逢瀬が、それにより二週間開くという事実。

 だからいつも生理明けは昂ぶりが強く、激しい傾向だったのだが、受験の開放感という大きな油断がプラスされてしまったのだ…

 そう油断…
 今までバレなかった…
 怪しまれさえしなかった…
 上手くヤれていた…
 そんな油断がわたしには、いや、しんちゃんにもあったのだと思われた。


「えっ…………
 あ、あなたたち……な、なにをしてるの……」

 あの夜の…
 あの母親の…
 あの驚愕の悲鳴にも似た声は、今も耳の奥に残っている。

 いや、今も…夢に現れる………

 それは、わたしが開放感に心を緩ませ、すっかり夢中に昂ぶって…
 しんちゃん自身を咥え、舐め、しゃぶっていた刹那…

 ガチャ…
 静かに部屋のドアが開き…
 母親の悲痛の悲鳴が、背中越しの後ろから聞こえた…
 あの絶望感。

「お、お父さんには……内緒にしておくから…」

 わたしは…
 せっかく掴んだ母親の幸せと、家族という大切な契りの絆を歪ませ…
 壊してしまったのである。

 あの夜からわたしは、ほぼ、母親とは会話さえしなくなった…
 いや、のし掛かる罪悪感の重さから、顔さえ見ることすらできなくなってしまった。

 それでも母親は父親の前では何事もなかったかの様にいつも通りに振る舞い…
 全てはわたしに責任があるとばかりに、いや、事実、全てはわたしが悪いのだが…
 思春期のしんちゃんを傷つけない様にと明るく、普通に応対していた。
 
 そう、悪いのは、全ての責任は、わたしにあるから…
 そしてひとり孤立する。

 しんちゃんの為にも…
 傷つけない為にも…
 それが最善であったから。

『大学入学したら、家を出るから…』
『………』
 母親は黙って頷く。

 そして入学と同時に上京し…
 10年が経った…

 いや…絶った。


 
 
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