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O……tout……o…
第1章 おとうと
 32

 とうとうある日…
『しんちゃんはたまに葵ちゃんの部屋で勉強でも教わってるの?』
 と、母親から訊かれてしまう。

「えっ、う、うん、そ、そうね、たまに宿題を教えてあげてるの」
 わたしは咄嗟にそんな嘘が言えたのだが…
 ドキドキしてしまった。

 だが…
 もう禁断の快感という魅惑の味を知ってしまった、メス犬の如くのあの時のわたしには、しんちゃんとの禁断の逢瀬を拒否するという選択肢は全く無く…

 結果…
 逢瀬の回数を週二回から週に一回へと減らし…
 必死に昂ぶりの声や、喘ぎ声を押し殺し…
 気配を出来るだけ無くして、忍ぶ…
 という、そんな選択をし、更に激しくお互いを求め合う…
 いや、その反動から、より夢中に、まるで快感を貪り合うかのように求め合ってしまうという結果になっていったのであった。


 とにかく…
 逢瀬を減らせば減らす毎に、禁断で背徳の快感はより強く、ますます強烈になっていき…
 止められなくなっていたのだ。

 いや、ますます激しく、お互いにより強く求め合う様に心の昂ぶりが加速していった…
 だからどんどんと感度が上がり…
 カラダもより女らしく成長をし…

 そしてそれは当然しんちゃんにも同じ事であり…
 より女らしく…
 より男らしく…
 そしてより仲良くなっていったのである。

『ホントに二人は仲良しねぇ…
 まるで本当の姉弟みたいよねぇ…』
 だから…
 その頃から母親はよく、そう云うようになっていた。

 そしてその相思相愛の禁断の近親相姦の関係は、約二年間続き…
 すっかりと、思春期の心とカラダに染み込んでいったのだ。

 だが、それは、無事に大学推薦試験が終わり、手応えを実感し、大学受験というプレッシャーから解放された二年目の冬の、十二月半ばの夜に、突然の破局を…
 いや、それは然るべき、当然の終わりと…
 その対価に合った罰という報いを迎えたのである。

 そう、それは、禁断の罪に対する、然るべき罰…




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