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第7章 逢瀬

｢どうしたの？…紗英さん｣

｢ご免なさい…今日は…
帰ります｣


｢何か…気に触った？…｣


｢ううん。何でもないわ…｣

"孝一さんは平気なの？
キスして別れるだけの関係なんて…
何の約束も出来ない分…お互いに家庭を持ったふたりにとって愛情を確信するたったひとつの方法…それは抱き合う事…"


そんな事は…決して言えない。

｢また連絡します｣


孝一さんの横を通り過ぎようとした時だった…


｢行くなよ！｣


強い握力で手首を掴まれた