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何処にでもいる悪女
第8章 黒い影
会社のオフィス――

昼休みで、殆どの人は社外に出掛けた。


私は何時もの様にお弁当を持参している。


「いただきます」
小さな声で挨拶する。


最近は少しずつ夫の残業も増え給料も増えつつある。
其れに伴い接待の飲み会や会議も増えていた。 元々お酒が好きな夫は、飲みに行けば殆ど午前様になった。

その隙を狙うように逢瀬を繰り返す…

やり取りしたメールや発着歴は、直ぐに消した。

もし、夫に聞かれても結子の名前を持ち出せば何とかなっていた。

嘘を重ね彼への思いを深める…悲しいけどその罪は背負わなければならない…



不倫。
その現実を噛み締めながら昼食を終えた。


ふぅっ…ため息をした。


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