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何処にでもいる悪女
第8章 黒い影
その場で珈琲を飲み干し、オフィスに戻る。
課長と目を合わせないように机の書類に目を遣った。

課長は隙をみてまた私に近づくかも知れない…


とにかく何とかしなきゃ…

誰にも相談出来るはずもなく焦るばかりで何の解決策も見出だせない。


夕方結子に相談して見ようかな…


その時、私の斜め向かいの男性社員鈴木さんが声を掛けた。


「水島さんすみません、またお願いなんですが…これ夕方までチェックお願いでぎますか。」

「はい、大丈夫ですよ」


彼にはこのような仕事をたまに頼まれた。

机を挟んでつま先立ちで手を伸ばし、書類の束を受け取った瞬間…バランスを崩して手から書類が散らばった。


「あ、ご免なさい!!」


鈴木さんは慌て拾いに来てくれた。


「私こそご免なさい。ボンヤリしてたから…」


「此方こそ、ちゃんと回って渡せば良かったですね」


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