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第8章 黒い影

｢うっ……くっ…」


唸り声を上げ…体勢を変えて私の中に入って来た。


｢あ……っ！あなた……｣

一気に奥まで届く感触に、私の中がキュッと締まる。

｢うぉっ！…いいよ…紗英キツくて…直ぐに出てしまいそうだ…｣


興奮して勢いよく腰をふり口付けをしてきた……

｢ん…――ッ！｣


口付けなんてそれこそ何年振りだろう。
嫌だ――口付けだけはイヤ。
首を振ったが容赦なかった…
夫は其から腰を何度上下しただろうか…
呆気なく夫はイッてしまった…。


私は感じる間も無く虚しさだけが残った。


男は身体で感じても、女は心で感じるんだと初めて知った……