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Night BAR
第3章 勇気
「チッ…。」
舌打ちをした後、
「俺
ウソつきは嫌いなの
知ってるよね?」
全身に一瞬で鳥肌が立つのを感じた。
その瞬間
電話よりも少し速く
聞こえるはずのないと思っていた所から
聞きたくのない声が重なって聞こえる。
「もしかして
いつもいつも嘘ついてたの?」
「ちが…」
私は恐怖のあまり
動けなくて、固まってしまっていた。
大雅は、
いつの間にか、
私の背後にいたからだ。
「いつかさ、
こんな風に俺達にも
子供できたらさ
ウソつきに育てるの?」
「そんな…」
私は何も言い返せない。
「ちょっとこい。」
そういって私の腕を掴む大雅。
しかし私はそれを
「やめてっ!!」
振り払っていた。
一層血相を変えた大雅を見て、
終わったと思った。
「おい、痛ぇじゃねえか。
こいっつってんだよ。」
静かにそういって
私の腕をさらに強く掴み、
私を引っ張った。
「いや!離して!!」
そんな抵抗も虚しいだけ。
私は大雅に引っ張られたまま、
ひと気のない公園の近くの
駐車場まで連れてこられた。
何をされるのだろう。
またぶたれるのだろうか。
「お前ってやつは。
こんなにお前を想ってやってる
俺に対して、
電話にわざと出ないどころか
ウソまでついて…
俺をからかってんのか?」
そういって髪を掴まれ、
下を向いていた私の頭を
無理矢理に上へ向ける。