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センセイと課外授業
第9章 ハツカレ?

「ははっ、佐々木なら大丈夫だろう?この間の模試も良かったみたいだし。」
「へへへー。でも、私も先生に化学教えて貰いたいですぅ!佳奈ばっかりずるいー」
先生はわざと恨めしそうな顔をして私を見る莉奈から目を離し、私に向き直った。
「一ノ瀬、ちゃんと勉強してるか?」
「は、はい。」
「そう。じゃあ今日と明日、放課後来てください。小テストもするから、復習しておくようにね。」
いつも生徒に接するような表の顔でにっこり微笑んだ。
「先生〜私も〜」
「はいはい。」
先生は笑いながら莉奈をかわすと、さっさと階段の方に向かってしまった。
「…ほんと、佳奈が羨ましいよー」
ぷうっと膨れて先先行く莉奈を追いかけながら、私はちょっとだけ振り返る。
(あ……)
どきん。
一段目に、足を下ろしてこちらを見ていた先生は、さっさとおりて行った。
(いま…こっち見てた?)
少し早くなった鼓動を抑えるように、私は大きな声で呼ぶ莉奈の元へ慌てて走っていった。

