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センセイと課外授業
第11章 はじめて
家の前まで送ってもらい手を振ると、トシ君はくるりと背を向けて歩き出し、すぐまた、振り返って早足で帰ってきた。

「どうしたの?」

驚く私に微笑むとトシ君はそのまま私を胸の中に抱き寄せた。

「とっ、トシくん⁉︎」

急激に心臓が鳴り出す。
密着した身体が緊張で震えた。

耳元にかかるトシ君の吐息と、私の心臓の音ばかり聞こえる。

「…忘れものしたから。」

「えっ?忘れモノって…?」

意味がわからないまま身体を離し見上げると、いきなり温かいモノが私の唇に押しあてられた。

「ーー!!」
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